音声信号を混ぜ、出力する機材
音を混ぜることからミキサーと呼ばれるのが一般的。他にも単にミキサー、ミキシングマシン、ミキシングコンソール、音声調整卓、音響調整卓、音声卓、卓と呼ばれる。
オーディオミキサー(以下、ミキサー)は複数の音声信号を電気的に加算、丁度良い状態に加工し出力する機材。
ミキサー周りの主流なコネクタタイプ 属性 端子 コネクタの種類 ノミナルレベル(一般的なもの) 入力 ライン入力 モノラル標準プラグまたはピンプラグ -60dB〜-16dB マイク入力 キャノンコネクタ -60dB〜-16dB 入出力 インサート接続 ステレオ標準プラグ
T=Input
R=Output
S=GROUND0dB AUX入出力 標準プラグ(バランスの場合が多い) +4dBu 出力 グループ出力 モノラル標準プラグ +4dBu メイン出力 キャノンコネクタ、モノラル標準プラグ +4dBu RecOut ピンプラグ -10dBV ヘッドフォン出力 ステレオ標準プラグ 数mW
HA(HeadAmp),Gain,Trim 入力信号をミキサー内部でオペレーティングレベルに調整する増幅器。
マイクあるいはラインレベル信号を扱うが、GainつまみやTrimつまみよっては増幅器の利得可変幅を大きく取ってマイクレベルからラインレベルまで一つのアンプで対応可能にしているものが多い。
20dB〜26dB位の固定減衰器がついているものもある。あまりGAIN,TRIMは一旦設定したらちょこちょこいじらない。フィルタースイッチ マイクのように様々な所を長距離で通すと信号にノイズが乗ってしまう。そこで可聴周波数(20Hz〜20KHz)を超えた ラジオ波などの高周波帯域(20Hz〜)をカットするフィルター(LPF,LowPassFilter)を搭載させたり 50Hz/60Hzの交流電源から来る電磁ノイズ等の低周波帯域(DC〜80Hzが一般的)をカットするフィルター(HPF,HighPassFilter)を搭載させているミキサーがある。 これにより扱う信号を可聴周波数のみに制限することが出来る。EQのように音の補正目的ではなく帯域を制限するのが目的。Peekランプ 音量が入力される際に大きすぎる場合、音が割れしてしまう(サチュレーションしてしまうともいう)。そのような時、Peekランプが点灯することにより教えてくれる。Equalizer 音質を調整するつまみ。高音、中音、低音の3バンドを調整出来る物が一般的である。これを使うことによりそれぞれの帯域を強調したり減衰させることが出来る。 積極的な音作りや音の補正に使われる。Aux Aux.(Auxiliary,予備の,補助の)入出力端子へ出力するレベルを設定。様々な場所や機材へ出力してコネクタが足りない場合はこちらのコネクタより出力する。 エフェクターを使う場合、このAux.端子を使う場合がある。より詳しい動作は項目を参照の事。On/Off 音の出力を丸ごとOn/Offを切り替える事が出来る。関連するAux.等全ての接続を切ることが出来る。また、グループ出力が搭載されているミキサーにはどのグループに出力するのかを 選択するOn/Offスイッチも付いている。スイッチ切り替え時にスイッチングノイズが入ることはない。グループ出力送出スイッチ どのグループにこの音源を出力するか選択することが出来る。GROUP1へマイク系統を全て送り、GROUP3-4へ音楽系統を全て送って最終的にメインアウトへ送る事が多い。 こうすることによりそれぞれの音量がフェーダーによって違っているレベルのものも、均等に音量を操作することが出来る。パンポット(Panpot,PAN) Panoramic(Panorama)Potentiometerの略で音場の定位を設定する。左側に振れば左側の出力から、右に振れば右側の出力から強く出力される。フェーダー 音量を調整するつまみ。スライダーとも。音量の調整はこれで行う。直線型のフェーダーと回転式のロータリーフェーダーがある。PFL/AFL PreFaderListen,AfterFaderListenの略。PFLはフェーダーで調整される前の音を、AFLはフェーダーで調整された後の音をヘッドフォンなどのモニターで聞くことが出来る。 PFLで音を聞いている場合、聞こえる音はフェーダーに左右されない。出力メーター アナログメーターや複数のLEDランプにより流れる電気的な信号量を表示する。
・VUメーター現在から0.3秒前までの間に流れた信号の平均値を表示する。人間の聴覚に近い振る舞いをするが打撃音のような瞬時の信号を捉えられない。・ピークレベルメーター信号レベルをリアルタイムに表示できる。出力レベルを適正にしたり最大値を超えないようモニターすることが出来る。・スペクトラムアナライザー信号の値を周波数ごとに分割してそれぞれの強度を表示する。スペアナとも呼ばれる。ハイエンドクラスのミキサーに搭載されていることが多い。
入力端子 標準プラグ、キャノンコネクタを用いることが多い。ステレオ入力の場合はピンプラグを用いることもある。インサート接続端子 ステレオ標準プラグを用いる。Tip=Input、R=Output、S=Sleeveとして外部機器へ接続出来る。ミキサーへの接続より前に直接接続するのではなくこのような形で 接続することによりHeadAmp等によりオペレーションレベルに整えられた音声信号をエフェクターなどに直列接続する事が出来る。メイン出力端子 標準プラグ、キャノンコネクタを用いて出力される。MAIN OUTとも呼ばれる。グループ出力端子 標準プラグを用いて出力される。様々な音源をGROUPで系統分けし、それらをマルチトラックレコーダーなどへ記録することも出来る。また、出力端子が足りない場合 こちらをサブ出力として使うこともある。通常+4dBuで出力されていることが多い。マトリックス出力端子 スタッフの連絡用として使われることが多い。メイン出力の他に、ロビー、ホワイエ、楽屋、舞台裏、返し、照明操作室、設備室などへ送る用途の物。フェーダースタート端子 フェーダーの動作により音源の再生を開始するという物。ミキサー側と音源機材もフェーダースタート端子に対応していないとこの機能を対応することが出来ない。D/A,A/D変換器 伝送中の信号変化を抑えるためデジタルによる伝送を行う際、デジタル信号からアナログ信号へ(D/A)、アナログ信号からデジタル信号へ(A/D)変換するもの。